顔面神経麻痺によって表情がうまく作れなくなった私は、
「人と話すのが怖い」と感じるようになっていました。
マスクやサングラスで外見を隠しても、
「変に思われてないかな?」という不安がつきまといます。
そんなとき、ある一言が私の心をほぐしてくれたんです。
目次
口元の麻痺で、話すことすら怖くなった
口の右側が思うように動かず、言葉がモゴモゴとこもるように。
何度も聞き返されるたびに、
「私、ちゃんと話せてないんだ…」と落ち込む日々。
だからいつしか、会話を避けるようになってしまっていました。
マスクとサングラスが“鎧”になっていた
外に出るときは、常にマスクとサングラス。
薄色の調光サングラスは、左右の目の大きさの差を隠すため。
マスクは、口元の動きの違和感を見られたくなかったから。
でも、本当は…
「私、隠してる自分を隠してるのかもしれない」
そんなふうに思うようになりました。
そんな私を変えた、ある一言
久しぶりに会った友人が、私の顔を見て言いました。
「全然わからないよ!ていうか、よくここまで頑張ったね」
それだけで、涙が出そうになりました。
“隠すこと”に必死だった私にとって、
“受け入れてくれる誰か”の存在は、本当に大きかったんです。
少しずつ、「人と話すこと」に慣れていった
その言葉をきっかけに、私は自分を責めることをやめました。
口元の動きに気づかれたっていい。
うまく話せない日があってもいい。
「伝えたい気持ちがあれば、それで十分」
そう思えるようになったんです。
今でも、外出時はマスクとサングラスが手放せません。
でも、もう“隠すため”じゃなく、安心するための相棒です。
そして私はこれからも、
少しずつでも、自分を取り戻していきたいと思っています。
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