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耳鼻咽喉科で言われた、たった一言。
「これは、顔面神経麻痺の可能性があります」
その瞬間、時間が止まったような感覚に襲われました。
“麻痺”…? 神経…? 私の顔に、そんなことが起きてるの…?
不安と現実が、頭の中で交錯した
まぶたが下がり、笑っても片側だけが動かない。
違和感はあったけれど、まさか神経の病気だなんて。
ネットで見ていた“嫌なワード”が、医師の口からはっきり出てくる。
「ああ、本当に自分のことだったんだ」
その事実に、ガツンと殴られたような衝撃を受けました。
「入院」か「自宅療養」か、選ばされた
診察室で医師に言われたのは、「今すぐ入院するか、自宅で治療するか選んでください」という言葉。
そんな…突然すぎる…。
でも、医師の説明は続きました。
「入院しても、基本は投薬と安静です。ご自宅でも同じ対応が可能です」
私は迷った末に、“自宅療養”を選ぶことにしました。
これからの治療、どうなるの?
ステロイド、ビタミン剤、そして安静。
処方された薬を抱えて帰る道すがら、不安で胸がいっぱいでした。
「本当に治るの?」「元の顔に戻れるの?」
何もかもが未知で、誰にも相談できなくて…孤独との戦いが始まった気がしました。
“麻痺”と向き合う覚悟が、静かに芽生えた
あの日から、私の生活は一変しました。
食べることも、話すことも、笑うことさえも──意識しないとできない。
でも、この現実から逃げても仕方がない。
少しでも前に進むために、自分と向き合うしかない。
それが、この日から始まった私の“本当の治療”の第一歩でした。
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