「まだ治ってないね」
そう言われると、少しだけ胸が痛みます。
だけど、私はこの治療を通して“治っていない部分”だけじゃなく、“変わってきたもの”にも目を向けるようになりました。
目次
自分と向き合う、週に一度の時間
毎週、決まった時間に通う鍼治療。
その道すがら、私は自分の心の声を聞くようになりました。
「今週はどんな表情をしていたかな?」「焦っていなかったかな?」
そんな風に、治療の前後で自分を振り返る時間が増えました。
「治ること」だけが目的じゃなくなった
最初は、「麻痺が治るために」と始めた鍼治療。
でも、通ううちに少しずつ目的が変わってきたのです。
それは、“私が自分を大切にするための時間”でもありました。
疲れていても通った日は、なんだか心がスッとする。
「今日もちゃんと行けた」という小さな誇らしさが、前向きな気持ちを少しだけ取り戻させてくれました。
周囲の目よりも、自分の気持ち
「まだそんなの行ってるの?」
そんな言葉に揺らいだ時期もありました。
でも、私の心と体のことを、一番わかっているのは私自身。
そう気づいてからは、人の評価よりも「自分がどうありたいか」を考えるようになりました。
気づけば、表情も変わっていた
ある日ふと、鏡を見たとき。
まだ左右差はあるけれど、自分の笑顔に“ほんの少しの自信”が戻っていたことに気づきました。
それは、鍼で筋肉が変わったというより、「心がほぐれてきた」からかもしれません。
治療がくれた“心のリハビリ”
体はまだ完全には戻っていない。
でも、鍼治療は私にとって、心のリハビリでもあったのだと思います。
焦り、不安、孤独──そんな感情に向き合う時間が、私を少しだけ強くしてくれた。
だから私は、今日も治療に向かいます。
少しずつ、自分らしさを取り戻すために。
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