「人と話すのが、怖い…」
それは、顔面神経麻痺になってから、私がずっと抱えていた感情です。
目次
マスクとサングラスが手放せなかった
口元の麻痺が残っていて、うまく笑えない。
左右の目の大きさが違って見えるのも気になって、薄色のサングラスが私の“仮面”になっていました。
顔を隠していると安心する。でも、同時に人と関わることがどんどん怖くなっていきました。
言葉が伝わらない不安
表情がうまく作れない。
口の動きが悪くて、言葉も聞き取りにくい。
相手が少しでも聞き返すと、「やっぱり私の声は届かないんだ」と思ってしまう。
そんな日々が続くうちに、人と話すこと自体が怖くなっていったのです。
でも、あの一言が変えてくれた
そんなある日、久しぶりに人と話す機会がありました。
緊張でうまく話せなかった私に、相手はこう言ってくれたんです。
「ゆっくりで大丈夫。ちゃんと伝わってるから。」
たったそれだけの言葉なのに、心がふっと軽くなった。
ああ、私はちゃんとここにいていいんだ。
心の扉が、少しだけ開いた
それまで固く閉ざしていた心。
でも、その一言で「話してもいいのかもしれない」と思えるようになった。
完璧に話せなくてもいい。
うまく笑えなくても、気にしなくていい。
私を“そのまま”受け止めてくれる人がいる。
だから、少しずつでいい
まだ怖さはあります。
でも、私は少しずつ、自分を外の世界に出していこうと思います。
無理に元気じゃなくてもいい。
無理に笑わなくてもいい。
大切なのは、心を少しずつ動かすこと。
もしあなたも同じ気持ちなら
顔の麻痺で、人と関わるのが怖くなってしまったなら──
あなたにも、きっと“心の扉”を開いてくれる一言が届く日が来ます。
それは、ほんのささいな言葉かもしれません。
でも、それがあなたの中の小さな希望になることを、私は信じています。
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