「もう、話さなくてもいいか」
そんなふうに思ってしまった自分に、少しショックを受けた。
話すことを諦めるなんて、前の自分なら考えられなかったのに。
「もう大丈夫そうだね」って言われるけど
顔の動きが少しずつ良くなってきた頃、
「回復してきたね」って言ってもらえることが増えた。
笑顔も前より自然になったし、言葉もだいぶはっきりしてきた。
でも、だからこそ言いにくくなった。
「実は、まだつらいんだよね」って。
気持ちのズレに、苦しくなる
「もう治ったでしょ?」という空気。
こちらとしては、まだ毎週通院してるし、
鏡を見るたびに細かな左右差や目の違和感を感じてる。
だけど、外から見たら、もう“完治”に近いように映ってる。
そのギャップがつらかった。
話しても、伝わらない
「まだ麻痺の影響あるんだ」って言っても、
「え?全然わからないよ」って返ってくる。
それがやさしさだってわかってる。
でも、本当は伝わってないような気がして、
むなしくなってしまう。
だから、口を閉じた
気づけば、何も言わなくなっていた。
聞かれても「うん、大丈夫」とだけ答える。
詳しく話すことも、気持ちを吐き出すこともなくなっていった。
「どうせ分かってもらえないし」
そう思ってしまったのかもしれない。
でも本当は、わかってほしい
心のどこかでは、ずっと思ってた。
「ちゃんと理解してほしい」って。
わかってもらえなくてもいい。
でも、話すことを諦めたくなかった。
だって、話さないと、何も伝わらないから。
沈黙は、自分を守る手段でもある
「話さない」って選んだのは、
わかってもらえなかった悲しさに、もう傷つきたくなかったから。
沈黙は、心の防衛だった。
でも、心を守ることが、
逆に自分を孤独にしてしまうこともある。
少しずつ、話していきたい
全部を伝えるのは難しいけど、
少しずつ、少しずつでも、自分のことを話していきたい。
「まだこんなことで悩んでる」とか
「今日はちょっとつらかった」とか
そんな小さな言葉からでもいい。
もう一度、自分の声を信じてみたい。
「話してよかった」
そう思える日が、またきっと来るから。
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