「話してよかった」
そう思えたのは、ほんの一言で救われたからでした。
ずっと心に抱えていたことを、ようやく話せたあの日。
相手の返事は、気の利いた言葉でも特別なセリフでもなかった。
でも、それが私には“救い”だったのです。
目次
誰にも言えなかった不安
顔面神経麻痺という言葉だけでは表せない、心の奥の揺らぎ。
「良くなってきたね」と言われても、心から笑えない自分。
「このまま一生戻らないかもしれない」という不安が、ずっと胸の奥にあった。
でも、誰かに話して理解されなかったら──それが怖かった。
でも、勇気を出して話した
思い切って、自分の中の不安や悲しさを言葉にしてみた。
「なんかね、笑おうとしても、引きつる感じがあるの」
「人と話すのも、まだちょっと怖くて…」
話しているうちに、自然と涙がこぼれてきた。
その一言が、すべてを包んだ
相手は黙って聞いてくれて、そしてこう言ってくれた。
「そうだったんだね。話してくれてありがとう」
ただそれだけ。
でも、その言葉に、私は救われた。
止まっていた時間が、少し動いた
“誰かに受け止めてもらえる”
それだけで、こんなにも心が軽くなるなんて。
無理に笑わなくてもいい。
無理に元気じゃなくてもいい。
私は、私のままでここにいていいんだ。
共感の力は、想像以上だった
言葉って、時にナイフのようにもなるけど、
ちゃんと選ばれた言葉は、心を包み込む毛布にもなる。
あの日の「ありがとう」が、今でも私の中で光っている。
だから、あなたにも伝えたい
今、不安を抱えているあなたへ。
怖くても、話してみてください。
すべてをわかってもらえなくても、
“わかろうとしてくれる誰か”に出会えるかもしれません。
そのとき、きっとあなたも思うはず。
「話してよかった」って。
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